債券インデックスファンドとは? 利回りや手数料についてもご紹介!

債券 インデックスファンド

債券型投資信託にもいくつかの種類があります。
その中でも最もオススメなのは債券インデックスファンドと言われています。
では、何故債券インデックスファンドが債券型投資信託の中でも最もオススメの金融商品と言われるのでしょうか?
この記事では、債券インデックスファンドについて解説し、銘柄についても個別に比較していきます。

目次

債券インデックスファンド

債券インデックスファンドは債券型投資信託の種類の1つです
特徴は、特定の指数と連動している金融商品であると言う事です。

例えば、債券の代表的な指数にはNOMURA-BPI総合があります
このNOMURA-BPI総合の様な特定の指数の基準価格に連動して価格が変動する債券の事を債券インデックスファンドと言います。
また、債券の指数にはNOMURA-BPI総合以外にもいくつかの種類があります。

債券インデックスファンドを理解する為には、債券型投資信託への理解が必要です。
債券型投資信託について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
債券型投資信託とは? 仕組みや買い時、メリットについて徹底解説!

アクティブファンドとの違い

債券型投資信託は大きく分けてインデックスファンドアクティブファンド2種類の金融商品があります。

では、インデックスファンドとアクティブファンドの違いは何でしょうか?
インデックスファンドとアクティブファンドの違いについて下記の図にまとめました。

インデックスファンド アクティブファンド

まず、インデックスファンドは指数に連動しますが、アクティブファンドは指数に連動しません
指数に連動しているインデックスファンドは、価格変動も安定している事が分かります
逆に指数に連動しないアクティブファンドは、価格変動が大きい事が分かります

指数に連動するかしないかによって、価格変動に違いがある事がインデックスファンドとアクティブファンドの違いの1つになります。

次に、手数料などの運用コストは、インデックスファンドの方が低く、アクティブファンドの方が高いです

アクティブファンドは手数料が高い分、指数以上の運用成績を目指そうとしており、インデックスファンドは指数通りの成績を目指している為、手数料は低めです
手数料の違いもインデックスファンドとアクティブファンドの異なる点になります。

最後に、金融商品ごとの運用成績もインデックスファンドにはほとんど差がありませんが、アクティブファンドには差があります

アクティブファンドは運用の方法がそれぞれ異なっているので差がありますが、インデックスファンドは違う銘柄であっても同じ指数と連動している場合があるので、ほとんど差がないといえます。

つまり、アクティブファンドを選ぶ際は過去の運用成績、インデックスファンドを選ぶ際は手数料がどれだけ安いかを基準にして選ぶと良いでしょう。

結論としては、インデックスファンドは価格も安定しており、リスクの少ない商品である事が分かります
一方、アクティブファンドは、価格変動が大きく、メリットも大きいですがリスクもある金融商品であると言えます。

これらを踏まえて、インデックスファンドとアクティブファンドどちらがオススメと言えるでしょうか?
投資信託はコストが少なく、安定した金融商品を選ぶ方が良いので、インデックスファンドが選ばれる事が多いです

これが債券型投資信託でインデックスファンドが最もオススメとされる理由になります。

債券インデックスファンドのメリット

債券インデックスファンドには3つのメリットがあります。

  1. 低コストで運用可能です。
    アクティブファンドと比べても低コストで運用できる事は魅力の一つと言えます。
  2. 簡単に分散投資が出来ます。
    少ない資金でもリスクに備えた分散投資が容易に出来ます。
  3. 値動きがシンプルで分かりやすいです。
    インデックスファンドは市場指数と連動しているので、投資信託の中でも値動きが分かりやすいです。

低コストで運用できる

債券インデックスファンドは低コストで運用可能な金融商品です。
投資信託は運用コストの低さが銘柄を選択する上で重要な要素になります。

インデックスファンドはアクティブファンドを含む他の投資信託と比較しても運用の為のコストが低いです。

運用コストを抑えれば抑えるほど利益も高くなるので、低コストで運用出来る点はメリットであると言えます。

簡単に分散投資が出来る

債券インデックスファンドは少ない資産でも簡単に分散投資が出来ます。

投資をする上で、資産は一か所に集めるのではなく、分散をさせる事が大切です。
何故なら、一つの投資先に資産を集中させる事は、その投資先が債務不履行になった際に資産を大きく失う危険性があるからです。
しかし、一口当たりの額が大きい複数の金融商品を購入する場合、分散して投資をする事は難しくなります。

債券インデックスファンドは少額でも分散投資が可能です。
債券インデックスファンドは債務不履行などのリスクにも強い金融商品であると言えます。

値動きがシンプルで分かりやすい

投資信託で分散投資をする場合、投資対象が多くなれば多くなるほど値動きを分析する事は難しいです
特にアクティブファンドは分析する事は難しく、値動きも分かり難く、どの様に分散投資を行っているのか判断できない場合もあります。

金融商品を購入するのであれば、何に投資しているのか分からない銘柄よりも、投資対象や値動きが分かりやすい銘柄に投資したいと考える人が多いと思います。
インデックスファンドは投資対象も分かりやすく、市場指数と連動しているので値動きが分かりやすいです。

投資信託と言われると複雑な印象を受ける人もいると思いますが、債券インデックスファンドはシンプルであると言う点がメリットの一つであると言えます

債券インデックスファンドのリスク

債券インデックスファンドには主に2つのリスクがあります。

  1. 元本割れの危険性があります。

  2. 海外債券を対象としたインデックスファンドを購入した場合、為替リスクが発生する場合があります。

また、債券全体のリスクに関してはこちらの記事をチェックしてください。
債券のリスクとは?ひと目でわかる4つのリスク

元本割れの危険性がある

債券インデックスファンドは価格変動があるので、元本割れをする可能性があります
つまり、運用次第では損失が発生する場合があります。

しかし、この損失は基本的に1年以内の中期的な運用の場合に発生するものです。
数年や10年単位での長期投資をする場合、このリスクは低くなります

債券インデックスファンドの投資をする場合は、長期投資を見据えて投資をしましょう

為替リスクがある

外国債券を対象とした債券インデックスファンドを購入した場合、為替リスクが発生します
為替レートによっては、利益があったとしても為替差損が発生し損をする可能性があります。

しかし、この為替リスクは為替ヘッジありの債券インデックスファンドを購入する事で緩和する事が出来ます
為替ヘッジは日本円と対象となる外国債券の通貨のレートをあらかじめ決めておく事です。
ただし、為替ヘッジにも手数料が掛かります

外国債券を対象とした債券インデックスファンドを購入する際は、このリスクを理解しておきましょう。

債券型ETFや、為替ヘッジについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
債券ETFとは? 債券ETFの特徴と銘柄を徹底解説!

債券インデックスファンドの手数料

債券インデックスファンドを運用する為には運用の為の手数料を支払う必要があります。
手数料の主な種類は、「購入手数料」、「換金手数料」、「信託報酬」、「為替ヘッジ」です。

購入手数料は債券を購入した際に掛かる手数料で、換金手数料は債券インデックスファンドを売却し換金する際に掛かります。
ただし、この購入手数料と換金手数料は銘柄によっては無料になる場合があります。

次に、信託報酬は、債券インデックスファンドを運用する上で最も重要な手数料です
何故ならこの手数料は、債券インデックスファンドを運用するファンドマネージャーに対して支払われる報酬であり、債券インデックスファンドを運用する上で絶対に掛かる手数料だからです。

信託報酬は債券インデックスファンド全体の資産から支払われる事になるので、信託報酬が高い場合インデックスファンドの基準価格が上がりにくくなります。
信託報酬において、0.1%の差は大きく、1%の差があれば、運用の結果は大きく変わってしまいます

例えば、信託報酬0.5%で運用利回り3%の債券インデックスファンドAがあったとします。
信託報酬1.5%で運用利回り3%の債券インデックスファンドBと20年後の基準価格を比較すると3,000円近くの差が生まれます。
どちらの債券インデックスファンドにも100万円投資をしていた場合であれば、20年間の運用成果には30万円近くの差が生まれる事になるのです

基準価格を決める要因は信託報酬だけではありませんが、信託報酬は最も重要な要素であると言えます。
信託報酬が安い銘柄を探す事が債券インデックスファンドで利益を得る上で最も重要な事です

最後に、為替ヘッジの手数料は為替ヘッジありの外国債券が対象の債券インデックスファンドを購入した場合に発生します。
外国債券を購入し、為替リスクを避ける際は、為替ヘッジの手数料も確認しておきましょう。

債券インデックスファンドを運用する際は、どれくらいの手数料が掛かるのかしっかりと計算しておきましょう。

代表的な債券インデックスファンド

では、具体的にどの債券インデックスファンドを購入すれば良いのでしょうか?

債券インデックスファンドの対象となる債券には主に3種類あります。
国内債券、先進国債券、新興国債券です。

ここからは、債券インデックスファンドの銘柄を3種類の債券ごとに一つずつ比較していきます。

国内債券インデックスファンド

国内債券インデックスファンドは他の債券インデックスファンドと比較して、信託報酬も低く、為替リスクのない金融商品です。
ただし、利回りは他の債券インデックスファンドと比べて少なくなる傾向にあります。
リスクが少なく安定した投資をしたい場合に適した金融商品です。

下記の図に国内債券インデックスファンドの銘柄を信託報酬と基準価格に着目して表にまとめました。

国内債券インデックスファンド 運用会社 信託報酬 基準価格
eMAXIS Slim 国内債券インデックス 三菱UFJ国際投信 0.150% 10,195円
ニッセイ国内債券インデックスファンド ニッセイアセットマネジメント 0.150% 10,519円
たわらノーロード 国内債券 アセットマネジメントOne 0.151% 10,432円
Smart-i 国内債券インデックス りそなアセットマネジメント 0.151% 10,126円
三井住友・日本債券インデックスファンド 三井住友アセットマネジメント 0.172% 13,086円
iFree 日本債券インデックス 大和投信 0.237% 9,996円
iシェアーズ 国内債券インデックス・ファンド ブラックロック・ジャパン 0.291% 10,820円
日本債券インデックスe 三井住友トラスト・アセットマネジメント 0.399% 11,497円
SMT 国内債券インデックス・オープン 三井住友トラスト・アセットマネジメント 0.399% 11,978円
野村インデックスファンド・国内債券 野村アセットマネジメント 0.432% 11,336円
eMAXIS国内債券インデックス 三菱UFJ国際投信 0.432% 11,622円

※基準価格と信託報酬は2019年2月18日現在のものです。

国内債券インデックスファンドは種類が多く、他のインデックスファンドと比べて選択肢が広いのも特徴です。
しかし、同じ国内債券インデックスファンドの中でも信託報酬の差は0.3%近くあります
次に、信託報酬が一番安い銘柄について解説していきます。

eMAXIS Slim 国内債券インデックス

eMAXIS Slim 国内債券インデックスは三菱UFJ国際投信が運用する債券インデックスファンドです。
投資対象は全て日本の公社債で構成され、NOMURA-BPI総合に連動するインデックスファンドです。

NOMURA-BPI総合はeMAXIS Slim 国内債券インデックスに限らず、多くの国内債券型インデックスファンドが指標にしています。
対象は国債、地方債、政府保証債で構成された指数です。

基準価格は2019年2月18日時点で、10,195円、取引は100円から申し込む事が出来ます。
信託報酬は0.150%となっております。

ニッセイ国内債券インデックスファンド

ニッセイ国内債券インデックスファンドはニッセイアセットマネジメントが運用する国内債券インデックスファンドです。
こちらの金融商品もNOMURA-BPI総合に連動するインデックスファンドとなっています。

投資の対象は、全て投資適格債です。
投資適格債とは、格付け会社の基準によって信用性があると判断された債券の事を言います。

基準価格は2019年2月18日時点で10,519円、取引は100円から申し込む事が出来ます。
信託報酬は0.150%となっています。

初めて国内債券インデックスファンドを購入するのであれば、信託報酬が一番安いこの2つの銘柄が良いでしょう。

先進国債券インデックスファンド

先進国債券インデックスファンドは外国債券を対象としたインデックスファンドの中でも信託報酬が安いのが特徴です。
利回りは国内債券インデックスファンド比較して高くなる傾向にあります。
リスクは新興国債券インデックスファンドよりも低いのでバランス型の金融商品であると言えます。

先進国債券インデックスファンド 運用会社 信託報酬 基準価格
たわらノーロード 先進国債券 アセットマネジメントOne 0.183% 9,600円
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 三菱UFJ国際投信 0.183% 10,390円
ニッセイ外国債券インデックスファンド ニッセイアセットマネジメント 0.183% 10,911円
iFree 外国債券インデックス 大和投信 0.194% 10,721円
Smart-i 先進国債券インデックス りそなアセットマネジメント 0.205% 9,958円
三井住友・DC外国債券インデックスファンド 三井住友アセットマネジメント 0.226% 19,461円
iシェアーズ 先進国債券インデックス・ファンド ブラックロック・ジャパン 0.351% 11,443円
外国債券インデックスe 三井住友トラスト・アセットマネジメント 0.540% 13,502円
SMT グローバル債券インデックス・オープン 三井住友トラスト・アセットマネジメント 0.540% 12,073円
野村インデックスファンド・外国債券 野村アセットマネジメント 0.594% 14,825円
eMAXIS 先進国債券インデックス 三菱UFJ国際投信 0.648% 13,192円

※基準価格と信託報酬は2019年2月18日現在のものです。

先進国債券インデックスファンドは信託報酬は高めですが、基準価格が高い金融商品が多いです。
同じ、先進国債券インデックスファンドの中でも、信託報酬には0.5%近くの差があります
その中でも信託報酬が安い銘柄について紹介します。

たわらノーロード先進国債券

たわらノーロード先進国債券はアセットマネジメントOneが運用する先進国債券インデックスファンドです。
こちらの金融商品はFTSE世界国債インデックスの動きに連動しています。
FTSE世界国債インデックスは日本を除く世界主要国の国債で構成された指数です。

投資の対象は、米国債券が半数を占めています。
外国債券を対象としている為、値動きは激しいです

基準価格は2019年2月18日時点で9,600円、取引は100円から申し込む事が出来ます。
信託報酬は0.183%です。

初めて先進国債券インデックスファンドを購入するのであれば、信託報酬が一番安いこの銘柄が良いでしょう。

新興国債券インデックスファンド

新興国債券インデックスファンドは利回りは一番高くなる可能性もありますが、一番リスクの高い債券インデックスファンドです。
債券インデックスファンドの中ではハイリスクハイリターンであると言えます。

新興国債券インデックスファンド 運用会社 信託報酬 基準価格
iFree 新興国債券インデックス 大和投信 0.237% 11,166円
eMAXIS 新興国債券インデックス 三菱UFJ国際投信 0.648% 12,735円
野村インデックスファンド・新興国債券 野村アセットマネジメント 0.648% 12,626円
SMT 新興国債券インデックス・オープン 三井住友トラスト・アセットマネジメント 0.648% 15,976円

※基準価格と信託報酬は2019年2月18日現在のものです。

新興国債券インデックスファンドは種類が少ないので選択の幅は広くありません
しかし、iFree 新興国債券インデックスが他の銘柄と比較して信託報酬が0.4%近く低いです
その為、新興国債券インデックスファンドに投資をするのであれば、iFree 新興国債券インデックスに投資をする事をおすすめします。

iFree 新興国債券インデックス

iFree 新興国債券インデックスは大和投信が運用する新興国債券インデックスファンドです。
こちらの金融商品は、JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド(JPモルガン GBI-EM グローバル ディバーシファイド)に連動しています
JPモルガン GBI-EM グローバル ディバーシファイドはJPモルガンが公表している債券指数です。

投資の対象は、新興国の国債が対象です。
国債が対象なので、新興国債券の中でもリスクも低いです。

基準価格は2019年2月18日時点で11,166円、取引は100円から申し込む事が出来ます。
信託報酬は0.237%になります。

新興国債券インデックスファンドの中では信託報酬が安く、リスクの低い銘柄であると言えます。

債券インデックスファンドの利回り

債券インデックスファンドの平均的な年間の利回りは、国内債券が1~3%外国債券が2~4%であると言われています。
定期預金に預けた場合、年間の利回りは0.01%~0.2%程度なので、定期預金よりも遥かに利回りが良い事になります。

ただし、インデックスファンドの利回りには手数料によるマイナスも含まれるので注意が必要です。
債券インデックスファンドの利回りは、インデックスファンドで得られた利益から手数料を引いた額になります。

債券投資において、利回りを意識をする事は最も重要な事です。
債券の利回りをより詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
債券価格や利回りの計算方法とは? 計算シミュレーター付き!

まとめ

債券型投資信託の一つである債券インデックスファンドについて理解して頂けたでしょうか?

債券インデックスファンドは、債券の中でも投資がしやすくリスクの低い金融商品です。
他の債券型投資信託と比較しても一番投資を始めやすい金融商品であると言えます
具体的な銘柄についても紹介しましたので、どの金融商品に投資をするかじっくりと考えてみてください。

債券インデックスファンドでよりリスクの少ない資産形成を進めていきましょう。

債券への投資についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
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